ピアノの弦の切り方

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

昨日の朝、あるピアノの先生宅にお邪魔してました。

当然ピアノ関係のお仕事だったわけなのですが…

 

 

●張弦

 

今回は調律でも調整でも修理でもなく、張弦という作業。

読んで字のごとく「弦を張る作業」なんですが、
ま、簡単に言うと、弦が切れたので張ってきた。
それだけです(笑)

 

このコトバがちょっと難しいんですが、
専門用語(なのかな?)で、

弦が切れることを「断線(だんせん)」

切れた弦を張ることを「張弦(ちょうげん)」といいます。

(これってピアノだけなのかな?)

 

 

 

●切れるものなのか、切れないものなのか

 

で、そもそも論として
ピアノの弦って切れるのかどうかという問題があります。

もちろん工業製品ですので無敵ではありません。
無理な力を加えると切れて(壊れて)しまいます。

 

それでも、一番高い音の弦一本でも
200kgくらいの重さのものを吊り上げることが
出来ると言われていますので、

相当頑丈なつくりになっているというのは
間違いないと思います。

 

じゃあ、この丈夫な弦を
どうやって切っているのでしょうか?

 

 

 

●切る人・切らない人

 

あるピアニストとお話をしているときに
こんなことをおっしゃっていました。

 

「ピアノの弦を切ることが出来る」

 

なんて物騒な!と思いましたが、
ピアニストという職業の方はそれくらい
ピアノのことをよくご存知なんです。

 

弦の振幅の状態、そこに対して加える力。

そのあたりを科学的に考えると、
あるタイミングで打鍵をすると切ることが可能だそうです。

ま、なかなか神業的ではありますが、
納得できる部分でもあります。

 

 

しかし、弦って基本的には切れません。

ピアノ愛好家や指導者はたくさんいらっしゃいますが、
一生のうちに一度も弦が切れた現場に出くわさずに
終える方も少なくないと思います。

 

でもね、切る人はいるんです。
同じ人が切り続けるんです。

 

それは力技なのかというとそうではありません。

タイミングや打鍵の仕方なんでしょうね。
こればっかりは正直きちんとした理由はわかりません。

 

 

●ご安全に!

 

弦が切れれば新しい弦を張ればいい。

たしかにそうなのですが、
ピアノというのは弦一本一本にはかなりの
テンションがかかっています。

 

その一本が切れるだけでも
全体のバランスが崩れてきます。

 

 

バランスが崩れてしまったピアノは
他の弦も切れやすくなるという
負のループに陥ってしまいます。

 

 

そうならないためにも、弦が切れた!となった際には
一日でも早く新しい弦を張り替えるように
してください。

放置しておくとピアノの寿命に関わってきます。
どうぞご安全に!

 

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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