価値を決めるために価格も判断の一つになる
初心者のための音楽サービス専門店 平瀬楽器の平瀬慶子です。
こんにちは~♪
相手が知りたいと思っている事をわかろうとするってとても大切ですね。
使用頻度によって・・・
先日女性の方が楽器(フルート)の調子が悪いので見て欲しいとお越しになられました
最初はどこが悪いのか軽く触っているだけではわからなかったのですが、少し演奏してみると、キーの動きが悪いところがありました。
見た目にはとてもきれいな楽器でしたので、オイルを差して様子を見ても良いかなとも思いました。
でもお話しを伺うと10年以上点検などをしていないとのこと。
またしばらく使っていなかった楽器ですが、最近頻繁に演奏されているとのことでした。
それならば、一度専門の工房できっちり見てもらった方がこの先長く使えるという説明をさせていただき楽器をお預りました。
その後、見積もり金額の連絡があったのでお客様に他のスタッフが連絡をさせていただきました。
内容的には①最低限の修理2万くらいと②全体の修理6万くらいの2種類をお伝えしてもらいました。ご検討いただきご連絡いただくことになっていました。
もう一度説明をききたいとご連絡が
2日ほどして、もう一度修理内容の説明を伺いたいのですが・・・とお電話がありました。改めてこの修理見積もりの違いについて説明をさせていただきました
実は木管楽器の修理ではタンポという管の穴をふさぐ部分がとても重要です。
この部分は使用していくうちに少しずつ劣化します。その劣化のスピードは部位によってまちまちです。ですからこまめに点検や調整をしてもらっていると1か所ずつの交換はさほど費用も時間もかかりません。
今回のように長く調整や点検を行っていない場合、修理工房の方はまとめて交換してしまうことをオススメされます。これが②の修理。
しかし予算に限りがある場合もありますのでもうしばらく使えそうな部分は残して交換するという①のお見積りも作ってくださいました。
このようにご説明するとお客様は「わかりました。そういうことなんですね・・・でも・あの・・・」
本当に知りたいことは修理内容の説明ではなかった!
とても言いにくそうに「この楽器、購入してだいぶ経つんです・・・。両親が買ってくれたので・・・」
とおっしゃいました。
それをきいてピンときました。私は
「このフルート、○○の○○という楽器ですが、現在の機種で言うと定価●●万円くらいですよ。ご両親が当時おいくらで購入されたかはわかりませんが、きっと全体の修理をして使っても十分価値がありますよ。大切にしていただければ嬉しいですね」
とお伝えすると
「わ~よかった!それをきいて安心しました。全体の修理よろしくお願いたします。」
とおっしゃいました。
このお客様はこれだけの金額をかけて修理する価値がこのフルートにあるのかどうかを悩んでいらっしゃったのです。
物の価値というのは金額である程度目安になります。でも修理という技術自体の値段は変わらないものです。
今回は修理品が元々どれくらいの価格だったのかが、修理価格に見合う価値があるのかを判断する基準になりました。
修理の値段を高いと感じるか安いと感じるかは、人それぞれの状況によって大きく違うのだということを実感しました。
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