調律師になるにはどうしたらいいの?
2016/08/24
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます。
もうずいぶん前。
1年くらい前の話になりますが、お店にこんな電話がありました。
妙な電話
おじさん「調律師の募集はしていませんか?」
スタッフ「え?調律師ですか?経験はおありですか?」
おじさん「えーと、5年くらい?」
スタッフ「調律師協会には加盟されていますか?」
おじさん「そんなんあるんや!」
スタッフ「整調や修理のご経験は?」
おじさん「弦交換ならやれると思うわ」
スタッフ「本当に調律師の経験おありなんですか?」
おじさん「あんなんかんたんや!ギターもできるで!」
スタッフ「そうですか…ありがとうございます」
結局この方はコレっきりでしたけど(当たり前ですが)、少なからず
調律師になりたいという方がいらっしゃるようですので、
今日はどうやったら調律師になれるのかというお話をさせてもらおうと思います。
どこで修行するの?
すいぶん昔は師匠のところに弟子入りして…といういわゆる修行を
していたらしいのですが、今ではごく一部を除いてそういうことは
行われていません。
じゃ今はどうしているかというと、学校にかよって技術を習得するんです。
わたしの場合はヤマハの技術者養成研修所に1年間通いました。
ヤマハの他にも各メーカーがそのような機関を持っており、各メーカーごとの
指導方針に則って技術者を育成しています。
その他には専門学校もあります。
京都や大阪、名古屋など大きな都市にはあるようなイメージなのですが、
技術専門学校もしくは音楽系の専門学校の学部のひとつとして調律課があったり
します。
あともうひとつが大学です。
関東の某音楽大学には調律学科があり、そこでお勉強して調律師になられる方もいらっしゃいます。
修行の期間はそれぞれの施設によって違いますが、最短で1年、最長で4年。
長ければいいというものでもありませんので、4年はちょっと長いかもとは思いますけどね。
勉強の内容は?
調律師になるための勉強ですから調律の実習を数多く行うのは当たり前なの
ですが、それ以外のピアノの修理や調整などの勉強ももちろん行います。
実は調律師と一括りで呼ばれますが、調律だけをするのではなく
全般的にピアノのことを触れないとダメなんです。
なので、「調律師」ではなく「ピアノ技術者」というのが正式な名称なのですが…
ま、このあたりはどっちでもいいですね(笑)
それらの技術的な実習以外に座学もします。
調律に関する理屈、数学的なことも知っておかないといけません。
それと大切なのがピアノや音楽全般の歴史です。
調律師としてデビューすると、お客様として相対するのは一般のご家庭の
皆様だけではなく、ピアノの先生や、場合によってはピアニストという
職業の方ともお話をすることになります。
そういう方々とお話をするときに、最低限知っておかないといけない程度の
歴史や知識を植え付けられました。今思いかえすとありがたかったですね、この授業。
他にも電話の応対、お客様宅での立ち居振る舞い、その他諸々いろんなことを学びました。
資格
実は数年前まで調律師という資格はありませんでした。
前述した各研修所で一定の修業を終えてデビューすればプロの調律師になれました。
しかし、実際には玉石混交なんですよね。
育ってきた環境が違うからレベルもバラバラです。
そこで3年ほど前に国家資格が出来ました。
まだそこまで広がってはいませんが、少しずづ受験する人も増えてきている
ようで、これによって我々の仕事がちゃんと認められた感はあります。
国家資格の1級を持っているから何かができるというわけではありません。
たとえばホールの調律をするのに2級以上じゃないとダメ、みたいなことも
今はまだありません。
でも、少しずつそういうのが出てくるのかなと思います。
ちなみにわたしは2級をとりました。
1級は超むつかしいらしいので躊躇してますが…まぁいずれ受けるかもです(苦笑)
そんなわけで調律師になるための手順をざっくりと書かせてもらいました。
もし調律師になりたいっていう方はご相談くださいね。
少しくらいはお力になれるかもしれません(笑顔)
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