整音という作業。ピアノと一日向き合って。
2017/01/30
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
今日はいちにち技術者モードでした。
自遊空間Ami
当店ののピアノサロン・自遊空間Amiは定期的にレッスンやイベントで使われています。備え付けのグランドピアノ2台も結構頻繁に酷使するわけです。
日ごろはそれらの手入れや調律はぼくが担当しているのですが、年に1度ぐらいは他の人の力を借りて、より良い状態を目指すとともに、自分自身の技術力向上の意味も込めて、信頼できる技術者の先輩にお越しいただいて触ってもらっています。
というか、触ってもらいながらいろんなことを教わっています。体のいい実習のような感じです。
2台あるうちの1台はうちの母が学生時代に使っていた年代物のピアノです。
なんでも結構由緒のあるピアノらしく、出すところに出せば結構高値で売れる、なんてことを言われたりするような、ちょっとめずらしいピアノなんです。
しかし学生時代から使っていたピアノは思いいれもありますので、これまで売り払うこともなく、(正直ガタガタではあるものの)だましだまし使ってきていました。
しかしやはり経年変化には敵いません。今のピアノと比較すると数十年前のピアノというのは音色が全く違うんですよね。
今回の作業は、このピアノの音色をなんとかしたいというのがメインでした。
整音作業
ピアノの作業には大きく分けて3つあります。調律、整調、整音の3つです。
今日は主に整音の作業をしました。…というより、教えてもらいました(笑)
「整音」というと何をするのかわかりにくいかもしれませんが、英語でいうとVoicing。つまり音を作る作業というわけなんです。
ピアノはハンマーを動かして弦を打って音を出す楽器きです。その弦を打つハンマーの状態によって音色が変わってきます。
ピアノ全体を通して同じ音色に整えることも大事ですし、こんな感じの音色にしていきたいと方向性を持って作業していくことも大切です。
羊毛でできたハンマーを削ったり、針を刺して柔らかくしたり。その作業を繰り返すこと約8時間、当初の音色とはガラッと変わったピアノが仕上がりました。
もちろんどんな人が弾くかによって仕上げる音色も変わってきます。
そして、もしかしたら今日の作業では一般の素人の方には伝わりにくいかもしれません。しかし今回メインで感じていただきたい方々に対しての変化の提案というのは伝わるんじゃないかなぁと思っています。
教わったこととこれから
今日一日教えていただいた先輩は一般家庭も回られていますが、一流の演奏家から絶大な信頼を得ている正真正銘の調律師です。その方に演奏家に対応する調律の仕方をたくさん教わりました。
教わった中には、これまで常識だと思っていたことがコンサートの現場では真逆だった、みたいなこともたくさんありました。しかしそれは過去に多くの方々が実践してきてこられた結果なんですよね。
学んだことがこうだったからこれ以外は出来ませんではなく、教わったことを活用して自分なりのいまよりもっといい音色を、いまよりもっとステキなピアノを作っていけるように努力していきたいですね。
あっという間の一日。技術者モードの一日でした。
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