あれば便利!?消音ピアノのいいとこ・わるいとこ(その1)

      2016/12/30

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

当店のあります兵庫県三田市も昔に比べると随分と街になりました。特にニュータウンとよばれるゾーンは家が密集していて近隣への音の迷惑など都会っぽい問題が出てきています。

そこで便利なのが消音機能付きのピアノ。音が消えるピアノです。

この消音ピアノ、すっかり一般的になったと思っていたのですが、実際にはまだまだご存じない方が多いようですので、消音ピアノってどんなものなのかっていうお話をさせていただきたいと思います。

 

弱音と消音

 

通常アップライトピアノには音を小さくする弱音ペダルというものが付いています。

弦と弦を打つハンマーとの間に薄いフェルトを入れて物理的に音を小さくするという仕組みです。グランドピアノでも一部にはこの弱音の仕組みが付いているものもあります。

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実際に音が出る仕組みである弦をハンマーの間にフェルトを入れるわけですので当然音は小さくなります。しかし当然ですが音色もモコモコとした音に変わってしまいますし、弾いている感じも変わってしまいます。単純に音が小さくなるというわけではないんですね。

 

消音システム

 

今から約20年ほど前に消音のシステムが作られました。これは音を弱くしたり小さくしたりするものではなく、音を完全に消すという仕組みです。

弦を打つハンマーの動く先にハンマーを止めてしまうレールのようなものを取り付けて、いくら鍵盤を叩いてもハンマーが弦に当たらないようにした仕組み。これが消音のシステムです。

こうすることで物理的に音を出るのを止めてしまいますので、当然音は全く出ません。でも、それだけでは単に音が出ないピアノになってしまいますので、鍵盤を押す力や速度をセンサーで計測して電子音をヘッドホンから出すというのが消音ピアノの仕組みになっています。

 

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ですので、消音ピアノのヘッドホンから出ている音は生のピアノの音が小さくなって出ているのではなく、あくまでも電子ピアノの音なんです。

消音ピアノのいいところは、使わない時はシステムをオフにすれば生のピアノとして使えます。そしてオンにすれば音が出ないピアノになります。これはいいことずくめですよね。

しかしここにもいくつかの弊害があります。

 

弊害その1

 

専門的な話をしますと、ハンマーの動きを途中で止めるという仕組みですので、鍵盤を押したときの感覚が普通のピアノとはちょっと違うんです。もちろんシステムはどんどん進化していっていますので最近ではほとんどわからなくなってきています。

しかし、日頃から大きなグランドピアノばかり弾いているような人が触ると、あれ?少し違うな?と思われるかもしれません。まぁでも、技術者レベルかもしれませんけどね。

 

 

以前は消音ピアノ=タッチが変なピアノと言われていました。

今もそういう傾向は代わりありません。しかし、ずいぶんと改善されてきているのは事実です。

ここ数年は新品ピアノの出荷のおよそ6割程度が消音ピアノだというデータもあります。

便利なものはとても便利です。住宅の事情もありますので、あまりこだわりすぎずに柔軟に考えていただければいいかなと思います。

 

 

明日は消音ピアノの弊害その2をお伝えします。

 

 

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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