乾燥はよくて湿気はダメ?
vol.1111
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
ピアノの大敵は湿気です。
湿気は悪です。絶対ダメです。
そんなふうに思い込んでたりしませんか?
●壊れていた原因
昨日、某公共施設にピアノのチェックに伺いました。
約一週間ほど前に切れた弦を交換したのですが、
貼り直した弦ってめちゃめちゃくるうんです。
なので、一週間後くらいを目処に再度訪問をして
チェックをするというのが普通なんです。
で、その作業はわりとサクッと終わったのですが、
ここで見つけてしまったんです。
他の壊れた箇所を。
そこから急遽修理をスタートすることになり、
苦労しつつもなんとか終えることが出来たんですが。。
今回の壊れの原因は湿度とは逆の
乾燥だったんです。
●乾燥はいい。湿気はダメ。
ヨーロッパは日本と比べて乾燥しているので、
木材の状態もよくて楽器のつくりもいい、
なんてことを言います。
これはたしかに正しいことなんです。
でも、乾燥はいつでもウエルカムなのか
というとそうでもないんです。
乾燥も行き過ぎるとダメなんです。
これが過乾燥という状態です。
乾燥が進むと、ピアノに使われているフェルト類が
収縮します。
木材だって乾燥によって
内部の水分が飛んでしまい、細く軽くなります。
湿気とのバランスでいい状態を保てているのであれば
問題ないのですが、
乾燥に振りきってしまうと
この程度ではなく塗装面にヒビが入ったり、
ひどいときには木材が割れてしまったりします。
こうなると修理ができない状態にまで
なってしまうんです。
●乾燥は善、ではありません
今回のこの公共施設のお部屋の場合、
稼働率が非常に高く、
ほぼ一日中空調を入れていたようなんです。
おそらくそれが直接的な原因なのかなと思います。
たしかに湿度はダメだとよく言いますが、
それも限度があります。
場合によっては乾燥が最大の敵になってしまうことも
あるんです。
どちらか一方だけを信じ込むのではなく、
バランスよく取り込むことって大切ですよね。
明日は、じゃあどうしたらバランスよく
保てるのかというお話を書こうと思います(^^)
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