自分でつかみに行くのも大切

vol.928

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます！

専門家のカバンの中って気になりませんか？
ぼくはめっちゃ気になる方なんです。

●届いた荷物

スタッフからこんな声かけがありました。

「アルミの定規みたいなのが届きましたよ。
でも、目盛りもなにもないんですよ。
あれ、なんですか？定規？」

はい。これです。
たしかにナゾなブツですよね（笑）

これは、「ならし定規」といって、
ピアノの鍵盤の高さが揃っているかどうかを
見るための定規なんです。

周辺の鍵盤と比べて高くないか低くないかを
見るだけなので、「定規」と言っても
目盛りは必要ないんです。

たしかに定規なのに目盛りがないのって
変ですよね（笑）

●専門的な道具

こんな風に専門的な仕事には専門的な
道具があります。

ドライバーやペンチなどといった
一般的な道具はホームセンターで売っているのですが、
そういうところで売ってない道具もたくさん使います。

ホームセンターで売られていない専門的な道具は
ピアノ調律師専用のお店がありまして、
そこで買い揃えるのが普通です。

たとえば白鍵とか黒鍵とかの部品だって
そこで買いますし、
今日入手したならし定規もそこで買いました。

でも、先輩技術者の鞄の中を見せてもらうと、
そこでも売ってない道具もたくさんあるんです。

●売ってなければ

売ってないけど持っている道具。

それは一体どうしたのかというと、答えは簡単です。

作った。もしくは作ってもらった。
のいずれかです。

これは今日、先輩技術者に教えてもらった
超便利な道具です。

でも、こんな道具は道具屋さんでは売られていません。

こんなのあったらいいなぁという思いから
自分で作っちゃったらしいんです。

実は写真の横にある竹のヘラのようなものも便利な道具。
2つとも近いうちに作っちゃおうと考えています。
だってコレがあると便利なんですもん。

調律師の世界では道具を自分で作るというのは
アタリマエの文化です。

でも、若い調律師の多くは道具屋さんで買い揃えると
思っているはずです。

それじゃ一人前の調律師にはなれないんですよね。

●与えられるだけでなく

これは楽器の学習をしている人たちに
置き換えても一緒かもしれません。

今は便利な楽譜がたくさん出版されていますので、
あんな曲弾きたい・こんな曲弾きたいといえば
だいたい手に入るのですが、
自分で耳コピして書いてみるとか、
あえて面倒な道を選んでみてもいいかも知れません。

与えられるのではなく、自分でどこまでできるのかに
チャレンジしてみる。

自分の欲求を満たすために自分で動いてみる、
コレって結構重要なキーワードなのかも
知れないなって思いました。

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