大切にしたい気持ちと手入れをしたい気持ち
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
昨日は音楽教室の生徒さんから、
クラリネットのお手入れについてのご相談を受けました。
●大事にしたい気持ち
学校で吹奏楽部に入り、クラリネットを担当し、
長く学校の楽器を使ってこられていた彼女。
やっぱり自分の楽器が欲しくなるわけです。
で、この度、念願かなってご家族の
お知り合いの方から中古の楽器を
譲ってもらうことになりました。
これはうれしいですよね!
練習にもより力が入るというものですし、
この楽器を長く大事にしたいと思うのは
当然です。
●手入れしたい気持ち
しかし、どなたかが使われていたその楽器、
やはりところどころ傷みが生じているらしく、
銀色のキィの部分が少しくすんでいたり
黒くなっていたりするのはどうやったら
きれいにピカピカになるのか
悩んでらっしゃるご様子でした。
自分の楽器ですから大事にしたい。
大事にしたいということは、
とにかく手入れをしたい。
そう思うのは誰しも当たり前です。
でも木管楽器、特にクラリネットやオーボエ、
フルートなどのキィがたくさんある楽器は
あまりこの気持ちを全面に押し出しすぎると
楽器を壊してしまうおそれがあるので
注意が必要なんです。
●壊しちゃいます
手入れをしたい!という気持ちを
奮い立たせるかのように、
各メーカーはオイルやポリッシュなど
お手入れ用品や掃除道具を色々と販売しています。
これらを使うと、
きっと楽器はピカピカになるし、
きっともっとスムーズに指が動くんじゃないか…
なんて考えちゃうんですよね。
でも、実際はちょっと違うんです。
キィのたくさんある楽器を
ゴシゴシ磨けば磨くほど
キィは曲がりやすくなりますし、
オイルやポリッシュもつけすぎると
細かな隙間に入り込み、
ゴミやホコリと付着してそれが却って
動きを悪くする原因になったりするんです。
なので、大事したい気持ちと
手入れをしたい気持ちは
同じベクトルで持ち合わせないほうが
いいと思うんです。
●拭くより吹く
管楽器はとにかくピカピカであってほしいと
思うのがみんなの思いです。
でも、
ピカピカの楽器をお客様に見てもらう
ことが目的ではなく、
楽器から出た音や音楽を聞いてもらうのが
目的です。
昔の人はよく言いました。
「楽器は拭くより吹け」。
当時はなんとも寒いギャグだなぁと
思っていたのですが、
今思うとこれが正論なんです。
大事にしたい気持ちは大切。
手入れをしたい気持ちも大切。
でも、楽器は拭くより吹く。
これが一番大切なんです。
心しておきましょうね!
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