弦が切れた!弦を張った!でもなぜまだまだ落ち着かないの?

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

前回のブログにも書きましたが、張ったばっかりのピアノの弦はとにかくくるいます。

 

どんどんどんどん

 

ピアノだけでなく、ギターでもバイオリンでも三味線でもウクレレでも、とにかく新しい弦はくるいます。

弦の素材はいろいろあるのですが、どれも共通していることは、かなり張力が強いということなんです。弦の端と端を楽器本体と糸巻きで止めるその力が結構な力なんですよね。

そのため弦は張った瞬間からどんどんどんどん伸びていきます。

張ってすぐにチューニングをして、一瞬あったような感じはするかもしれませんが、そのすぐ後からまたどんどんどんどん伸びていきます。どんどんどんどんくるっていきます。

 

ギターの場合

 

例えばギターの弦の場合、この伸びがなくなった段階で「弦が死んでいる」という表現をする人もいます。

弦が死ぬ=弦の交換のタイミングですので、弦が伸びている間だけしかフレッシュな弦が使えないというのは若干キュウクツな考え方かなとは思うのですが、実際に伸びが止まってしまうと確かに弦の寿命も一旦そこで終了なわけで、おっしゃることは正しいことは正しいのかな?と思ったりしています。

 

自分でできればいいのですが

ギターやバイオリン、ウクレレ、チェロなどを自分で弦を張り替え、自分でチューニングすることのできる楽器の場合は、弦がいくら伸びてもご自身でまたチューニングをすればいいだけの話なのですが、ピアノはそうはいきません。

 

他の楽器と同じように新しい弦はどんどんどんどん伸びていきます

しかも素材は鉄でかなり太いので、近所の弦への影響力というのもあるんですよね。

 

ピアノの場合、だいたい張ってから5日から10日くらいまでの間に「引き上げ」という作業に伺います。

この作業で、ぐちゃぐちゃであろう弦の周辺の音を直していくわけなんです。

 

もしかしたら弦の巻き方が緩んでいるかもしれませんが、そういうときにはもう一度巻き直しの作業をしたりします。
ラッキーなことに今日伺った2箇所は2箇所ともそう大きなゆるみもなく、作業自体は割と簡単に終わりました。

ただ、一度切れた弦の周辺の弦はそれにつられてくるいやすいという状態がまだまだ続き、演奏者にとってはちょっと嫌な状態なのかなと思ったりもします。

しかしこれはただ単に調律がくるっているのではなく、新しい弦が伸びて調律がつくっているんだという判断をしていただければ非常に助かります(見逃してくれというわけではありませんが)。

 

ただ、調律のくるいがひどすぎて本当に気持ち悪いということであれば、いつでも調律師にお申し付けください。すぐに伺わせていただきます。

 

一度切れた弦はとにかくくるいやすい方向にくるいやすい方向に変化していきます。

新しい弦を張ったからもう大丈夫、ではなく、常にその周辺を気にかけてもらい、少しの変化も見逃さないぞ!くらいの関わり方をしていただけると調律師としてもとても心強いです。

 

てなわけで、今日はピアノの弦交換のお話でした!

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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