保守点検ってなにするの?調律と何が違うの?

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

・ピアノの調律

・ピアノの保守点検

 

この違いをきちんと説明できる人って少ないと思うんです。

 

●保守点検

 

「ピアノの保守点検」というのは

主にホールのピアノに対して使うコトバです。

いろいろな人が使うホールのピアノは、

定期的に調律はしているものの、

基準となる部分がくるってしまうと

楽器自体がだめになります。

 

そのため年に一度程度「保守点検」という

総点検作業を行います。

車で言うと車検のようなものですね。

 

 

日頃行っている調律はもちろんのこと、

鍵盤の高さや深さ、ハンマーの動く距離などが

基準通りなのか、タッチはおかしくないのか、

ハンマーの摩耗具合はどうなっているのか、

外装に傷はついていないか、

車輪の状態はどうか、などなど、

色んな部分をチェックする作業なんです。

 

 

●おおごとなのです

 

車検というと車を2~3日預けるイメージが

あると思います。

それくらい大事なことなので、その瞬間に

車がないことに対しては誰も文句を言いません。

 

ピアノの保守点検というのは、

ピアノにとっても技術者にとっても

それと同じくらいのおおごとです。

 

今後1年間、いい状態でピアノを使って

もらうために、この作業は欠かせませんし、

責任のある作業なので、じっくり時間をかけて

行わないといけないわけなのです。

 

通常の調律だとだいたい1.5時間程度。

しかし保守点検の場合は4~6時間程度

かかることが普通です。

それくらい色んな所をチェックするんです。

 

 

●昨日は…

 

昨日は某ホールの保守点検に伺ってきたのですが、

なんとホール内は明日に控える本番の仕込み真っ最中。

 

照明仕込みの関係で暗くなったり明るくなったり、

スタッフさん同士のやり取りで

大声を張り上げることもしょっちゅうで、

さすがに保守点検にバッチリの環境とは

いえませんでした。

 

なんでこんなことになったのかというと、

保守点検と普通の調律を混同されている方が

担当されてようなんです。

 

なので、(まぁ、普通は調律もこういう状況では

あまりやりませんが)ホールの仕込みと

ピアノの作業が並行になってしまって

いたようなんです。

 

 

 

もう時間がないということと、

がたがた言っても仕方ないということで

昨日は作業をさせてもらいましたが、

普通はこういう状況はNG。

 

ピアノを大切にされるからこその

保守点検の値打ちが下がってしまいます。

 

 

一般のご家庭で保守点検なんてことを

されることはありませんが、

もしこういうことに出くわしたら

くれぐれもご注意くださいね。

 

まぁ環境が環境なだけに、

とにかく疲れた昨日でした(苦笑)

 

 


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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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