ピアノの調律がくるうメカニズム
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
昨日はある先生の発表会の調律のために早朝より
某ホールに入っていたのですが、そのホールのピアノが
少々とんでもない状態になっていたんです。
●調律がくるうメカニズム
ピアノを動かすと調律がくるうということは
皆さんよくご存じです。
でも、実際には長距離運搬しない限り、
実はそんなに大きなくるいは生じません。
グランドピアノを数メートル動かす程度では
ほとんどくるわないんです。
というか、それくらいでくるうのは調律師の腕の問題です(笑)
じゃあ、なんでくるうのかといいますと、
一番は温度や湿度の変化なんです。
めちゃくちゃ暑いとかめちゃくちゃ寒いとか、
そういう環境からの急激な変化とか、
そういうのにピアノって極端に弱くて、
調律だけじゃなく内部の調整なんかも一緒にくるうんです。
●調律の時間
調律する時間はどれくらい必要かご存知でしょうか?
一般的には1時間30分~2時間程度とお話をしています。
今回のような発表会のための調律であれば、
本番中にくるってきてほしくないので、
少しでもお時間をたくさんいただき、
最終までチェックを行いたいものです。
ただ、リハーサルとかもありますし、
いい状態でお渡ししたい調律師と、
一分でも早く弾きたい参加者との
せめぎ合いなんです(笑)
●予め覚悟はしているけど
よく管理の行き届いたホールであればピアノの状態も
年間を通じてほぼ一定ですから、調律にかかる時間もほぼ一定です。
昨日のホールはピアノ専用の倉庫があるわけでもなく、
ピアノにとってはちょっと過酷な環境。
ということは、ピアノの状態も行ってみないと
わからないんです。
なので、このホールに伺うときにはだいたい覚悟して
行くんですが、昨日のはちょっとそれを上回っていました。
専門用語で恐縮ですが、
全体的にだいたい3~4ヘルツくらい高くなっており、
それも均一ではなくグッチャグチャになっていました。
これはおそらく空調が原因なんです。
このホール、使っていないときは結構暑いし、
空調を入れると一気に涼しくなるんです。
使用者にとっては空調の精度が高いというのは
利便性が高いのですが、
温度の変化が急激なのでピアノにとっては
ちょっと厳しい環境なんです。
おそらくここ数ヶ月の間に急激な温度の上下に巻き込まれ、
ピアノも悲鳴を上げていたんだと思います。
それがあのグッチャグチャに繋がったんだろうなぁと。
とりあえず昨日は都合2.5回ほど調律を行い、
なんとかギリギリお約束の時間に
間に合わすことができましたが、
結構冷や汗モノでした(汗)
特に夏場は、気温の変化は仕方がないのですが、
少し気を遣ってもらうだけでも
きっとピアノの状態はもう少し安定するはずです。
発表会などの時間がタイトな仕事の場合は
予めホールとの打ち合わせも大切かも、
と思った昨日のお仕事でありました。
いやー、変な汗をたっぷりとかきました(笑)
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