なんでこんなところが壊れているの?ピアノのフタの開け閉めに要注意!

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

今朝、まだ開店前の時間帯に、いつもよくお世話になっている近所のホールから突然電話がありました。

「なんかわかんないけど、ピアノがおかしいんで見に来てください」とのこと。

まぁ、こういう時って、だいたい、ほんとにおかしいんですよね。

 

現場へ

 

何がおかしいのかなぁといろいろ想像を巡らせながら車を走らせ目的地のホールへ到着。きっと今日は必要ないだろうなぁとは思いつつ道具も一式持って来ました。

まずはホールの事務所に、こんにちわ〜と顔を出しますと、ぽんと手渡されたのがこちら。

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この部品、何だかわかりますか?

 

はい。アレですよね、アレ。

 

これです。グランドピアノの突き上げ棒です。

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※同一品番ではありません

 

たぶん丈夫なハズ

 

グランドピアノのフタって結構重いです。大きなグランドピアノになったら、おとなの男性の方でもけっこう大変なくらいです。

はっきりした事は知りませんが、この重〜いフタを支える突き上げ棒というのはかなり丈夫に作ってあるハズです。

実際に、この折れてる部分を見てみると木目が真っすぐ走っている、とても丈夫な材料を使ってあることが伺えます。普通に考えて、普通に使っていて、この部品が折れるわけがないです。

 

検証

 

じゃあなぜこんなことになっているか、ですが。

 

これはあくまでも想像なのですが、

1.この棒を立てたままフタを閉めてしまった。

2.何らかの理由でフタが落ちてきた。

3.無理矢理この棒を引っ張った。

 

どれもちょっと不自然ですが、きっとこのどれかだと思います。

 

いずれの場合にしてもピアノの外側のボディーに大きな傷が入っているのではないかなと思います。

今日見に行った段階ではそこまで確認する余裕がなかったのですが、おそらく何かしらの傷跡があるんじゃないかなと思います。

 

おそらく修理自体はそんなに難しくはないと思います。新しいパーツを取り付けるだけで終わり、という程度かと思います。

ただ、このパーツが簡単に手に入るのかどうかという問題や、パーツを取り付けるときのフタをどうしておいたらいいのか(突き上げ棒がないと当然フタは落ちてきますので誰かが支えていないといけない)、などなど、実は問題はたくさんありそうです。

 

イレギュラーなことは多いけど

 

楽器の修理をやってると、ちょっとよくわからない状況の壊れ方というのには頻繁にお目にかかります。

しかし今日のようなピアノの突き上げ棒が壊れているというのは初めての経験です。

 

利用者さんに責任を持たせないという姿勢はホールとしてとてもやさしくステキな態度です。見習わなきゃいけないなぁと思う部分もあります。

しかし、こんな使い方をする人はダメだと思います。

どういう理由があったにしても楽器は、特に公共の場所の楽器は、大切に使ってもらいたいものです。

 

この件はちょっと気になるので引き続きレポートしていきたいなと思います。

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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