なんのためのソレですか?
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
先日あるイベントで舞台スタッフとして
動いていたときのことです。
ちょっと舞台に慣れている感じの出演者の方に
「(マイクの位置を)先にバミっておいてください」
って言われたんです。
これがちょっとね、違和感だったんです。
●バミる
バミるというのは舞台の用語で、
ビニールテープなどを舞台に貼って、元の位置を
記録することを言います。
舞台用語というよりは、会議室なんかでも
机の位置をバミってたりしますので、
割とご存知のかたも多いかも知れません。
でも、バミるってバミることが目的ではなくて、
正しい場所にきちんと置くためにバミるのであって、
バミるのはあくまでも手段なんですよね。
この目的と手段が入れ替わってることって
よくありませんか?
●なんのための練習なの?
ピアノの練習でいうと、古典的な指の練習である
ハノン。あれ、イヤな練習ですよね。
でも、どんな楽譜が来てもさらっと弾けるように
指の練習・ハノンは必要なんです。
でも、ハノンが上手になったら
それでいいのかというと、それは間違い。
もちろん中にはいい曲もあります。
でも、それが目的ではないんです。
ハノンを上手に弾いても、指がよく回ってるねぇ
という評価でしかありません。
目的はその先にあるんです。
美味しいご飯を食べるために、
家から離れたあの駅まで行く。
ご飯を食べるのが目的であって、
家から離れた駅に行くのは目的じゃないですよね。
そんなこと誰でもわかっているのに、
意外とこの目的と手段の取り違えは少なくありません。
●なんのために?
マイクスタンドの位置は人が立ってもらって
初めて決まるものです。
こちらが適当にバミっちゃったら、結果として
歌いにくかった、なんてことにつながりかねない。
いいステージができないかもしれない。
我々の仕事はいいステージを作るため。
それにつきます。
なので、まずやってください。
あとは我々がなんとかします。
必要であればバミリます。
ダメならダメで相談します。
それがたぶん「いいステージ」に繋がるんだと
思います。
いい音楽を作る道なんだとも思います。
練習でも本番でも「なんのために」を
常に考えておきたいですね。
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