譜面のない音楽──だんじり囃子に見る“口伝”のチカラ

週末、三田のまちはお祭りムード一色。
太鼓と鐘の音が響く「だんじり囃子」は、この季節の風物詩です。
体が自然に動き出すようなあのリズム、
実は“譜面のない音楽”だということをご存じでしょうか。
お囃子の世界では、楽譜を使わずに耳と体で覚える
「口伝(くでん)」が基本。
先輩の演奏を見て真似しながら、
何度も繰り返して体に染み込ませていく。
そんな練習の積み重ねで音がつながっていきます。
言葉とリズムで受け継がれる音
「どん・どん・どん・ちちち」と口で言いながら叩くリズム。
まさにゲームの“太鼓の達人”のように、
音を言葉で覚えていくのです。
楽譜がない分、身体で覚えるしかない。
だからこそ、長年続けてきた人は自然と体が動くほど
音が染みついています。
お祭りでだんじりを運行する側の大人たちの多くも、
子どもの頃にそのリズムを体に刻み込んできた人たちです。
伝統を支えるのは「受け継ぐ力」
一方で、口伝には弱点もあります。
楽譜がないため、他の地域の人や次の世代へ
正確に伝えるのが難しいのです。
けれども、紙ではなく“人”が伝えていく音楽には、
温度があります。
耳と口、そして心で受け継がれていく文化。
その泥くさいまでのつながりこそが、
地域の音楽を支え続けてきた原動力なのだと思います。
10年後も、20年後も──その音が三田のまちに
響き続けることを願ってやみません。
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