譜面のない音楽──だんじり囃子に見る“口伝”のチカラ

   

週末、三田のまちはお祭りムード一色。
太鼓と鐘の音が響く「だんじり囃子」は、この季節の風物詩です。

体が自然に動き出すようなあのリズム、
実は“譜面のない音楽”だということをご存じでしょうか。


お囃子の世界では、楽譜を使わずに耳と体で覚える
「口伝(くでん)」が基本。

先輩の演奏を見て真似しながら、
何度も繰り返して体に染み込ませていく。

そんな練習の積み重ねで音がつながっていきます。

言葉とリズムで受け継がれる音

「どん・どん・どん・ちちち」と口で言いながら叩くリズム。
まさにゲームの“太鼓の達人”のように、
音を言葉で覚えていくのです。


楽譜がない分、身体で覚えるしかない。
だからこそ、長年続けてきた人は自然と体が動くほど
音が染みついています。
お祭りでだんじりを運行する側の大人たちの多くも、
子どもの頃にそのリズムを体に刻み込んできた人たちです。

伝統を支えるのは「受け継ぐ力」

一方で、口伝には弱点もあります。
楽譜がないため、他の地域の人や次の世代へ
正確に伝えるのが難しいのです。


けれども、紙ではなく“人”が伝えていく音楽には、
温度があります。

耳と口、そして心で受け継がれていく文化。

その泥くさいまでのつながりこそが、
地域の音楽を支え続けてきた原動力なのだと思います。


10年後も、20年後も──その音が三田のまちに
響き続けることを願ってやみません。

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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