ピアノは100年持つ?寿命とメンテナンスのお話

   

こんにちは、平瀬楽器のヒラセトモキです。
今回は「ピアノって100年持つの?」という、
多くの方からいただくご質問にお答えします。


電子ピアノと生ピアノの寿命の違い

電子ピアノの寿命は一般的に約10年。
テレビや冷蔵庫と同じように、電子機器は部品の供給が止まると
修理できなくなるため、どうしても寿命が短めです。

一方、生のピアノは「家具」としてなら何十年も存在しますが、
「楽器」として心地よく弾けるかどうかはメンテナンス次第といえます。


実際に100年前のピアノを調律中

現在、私は100年前に製造されたアップライトピアノを調律しています。
部品の多くは交換されていますが、アクション部分は当時のまま。
定期的に手を入れることで、今でも十分に音を楽しめる状態が保たれています。

ヨーロッパでは「手入れをして長く使う文化」が根付いており、
このピアノもその精神で受け継がれてきた一台だと言えるでしょう。


ピアノを長持ちさせる3つのケア

ピアノを100年使うためには、以下の3つのメンテナンスが欠かせません。

  1. 調律:音の高さを整える基本のケア(年1〜2回推奨)

  2. 整調:鍵盤やアクションの動きを調整し、快適なタッチを保つ

  3. 整音:音色を均一にし、柔らかさや硬さを整える

加えて、日本特有の湿気対策も重要です。
乾燥しすぎても湿気が多すぎても木材に影響するため、環境管理が寿命を左右します。


まとめ:ピアノは「思い」と「手入れ」で生き続ける

結論として、ピアノは100年持ちます。
ただし「家具」としてではなく、
「楽器」として長く楽しむためには定期的なメンテナンスと
環境への配慮が必要です。

大切なピアノを次の世代へと受け継ぐためにも、
ぜひこの3つのケアを意識していただければと思います。

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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