「ねいろ」と「おんしょく」

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

さてここで問題です。

「音色」

これはなんと読むでしょうか?

 

意味

 

おそらく大半の方の答えはこのどちらかだと思います。

「ねいろ」もしくは「おんしょく」

じゃあ、この2つのコトバの意味っておわかりでしょうか?

 

 

意味

 

一般的にいうと、「ねいろ」も「おんしょく」も同じ意味のようです。

両方は全く同じ意味です。
読み方の違いは前後の文脈から判断します。
「おんしょく」の方が音読みで、学術的というか硬い表現の時、
「ねいろ」の方が訓読みで、文学的、優しい表現になると思います。

※yahoo知恵袋より

しかし、音楽的にいうとこれはちょっと用法が違うんですよね。
といってもちゃんとした定義はなく、暗黙知という感じの定義なんですが。

 

「ねいろ」

 

音楽的にいうと「音」そのものを指します。
フルートの音、オカリナの音、トランペットの音、ピアノの音、オルガンの音、ガラスのコップを叩く音、etc。。

専門用語でいうと素音に近いイメージといいますか、それだけでどの楽器の音かわかって、そして混じり合っていない音というようなイメージです。

 

「おんしょく」

 

音楽的にいうとこちらの方が若干ややこしいのですが、各楽器の音色の中でも、たとえばやさしい音だとか、きびしい音とか、ぶっきらぼうな音とか、音自体を形容するときにこの「おんしょく」という言葉を使います。
フルートやトランペットなどの管楽器の場合、楽器そのものが持っている音色(ねいろ)というのはありますが、吹く人によって音色(おんしょく)は変わります。
これはなぜかというと、管楽器の場合は奏者の唇で音の基本となる振動を作り出します。
その振動と音を楽器の中で増幅させて最終的に楽器の音として出す、というのが管楽器の仕組みだからです。
だから、吹く人によって音が違うんです。

 

ピアノの場合も一緒です。
鍵盤楽器って鍵盤叩いたら音が出る楽器やん、誰でも簡単に音が出るのが魅力の楽器やん、って思われている方は多いと思います。
確かにそういう側面はあります。
しかし、ピアノは弾く人によって音色が違う楽器なんです。

弾く人の腕の重さ、指の質量、鍵盤を押すスピードや重さなどなど細かい色々な要素が合わさってその人独自の音色が形成されていきます。
だから生の楽器は面白いんです

 

 

指が回ればOKではなく、なんとなく上手に弾けたらOKというのでもなく、ピアノという楽器の最終的な目標地点は「自分の音」や「そのタイミングの音色」なんですよね。
ちなみにこれはどうがんばっても電子ピアノではできません。
電子ピアノはサンプリングした音色をセンサーの反応に従って出すだけの仕組みですので、いくら手が変わっても、指が変わっても、それ以外の音が出る余地がないんです。
ここらへんが生と電子の決定的な違いなんです。でも、ここを理解されていない方が意外に多いのがびっくりです。

 

これを読んでいただいている方は、どちらのいいところも知っておくように持って行けたらいいなぁと思っています。

 

 

 

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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