湿気ってピアノにどんな悪さをするの?~きちんとおつたえする大切さ

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

ピアノは湿度に弱い、湿気が良くない、なんて言いますが、一体何がダメなんでしょうか?どういうことになるんでしょうか?ご存知ですか?

 

湿気

お客様に「湿気に注意してくださいね」なんてお話をすることがよくあります。

しかし、湿度が高いと何がどうなるのかまできちんと説明できていなかったということに気づく出来事がありました。

 

ある日、お客様宅に伺った際のことです。

ピアノの置いてあるお部屋の湿度が高かったので、できればちょっと対策を考えてもらいたいという話をしました。

湿度が高いと鍵盤の動きは悪くなるし、アクション部分の動きも悪くなるし、弦だって錆びやすくなるし、と湿度のせいで起こりうる色々なことを並べていきましたところ、

湿度が高いとそのことになるんですね。初めて知りました。なんとなく湿気が多いとだめだということを知っていたけど、そういうことを聞いたの初めてです。」

 

なんてことを言われました。

 

違反はダメ、だけど…

 

スピード違反をするのは良くないです。

しかし実際にはスピード違反をするほどの速度で車を運転すると事故の確率が非常に高まります。

そうならないためにスピードはおさえて運転しましょう、ということなんですね。

 

 

そんなふうに考えると、湿度がダメ!湿気がダメ!なのではなく、どうしてダメなのか、それがキッカケで何が起こるのかをきちんと説明することこそが大事なことなのかなと思いました。

 

わかりやすく伝えること

 

特にピアノなんて中が全く見えないブラックボックス的楽器です。

弾かれる方は鍵盤しか見えないわけですから、内部のことまではわかりませんし、気づきません。

そこを任せてもらう調律師としては、できるだけわかり易い言葉で伝えていくことが何より大切なんでしょうね。

 

大切に使っていただいているピアノの状態を逐一コトバで説明すること。そしてそのコトバでキチンと伝わったかどうかを確認することが仕事を行っていく上で必ず必要なことなんでしょうね。

 

ちなみに湿度がダメと同じくらい広まっているウワサに水分厳禁!があります。

湿度がダメだから水もダメだろうという流れなんでしょうけど、実は水分はそこまでダメじゃないんです。

ボディをゴシゴシするのに水分は必要です。固く絞った雑巾でキレイにしていきます。

たまにお客様宅でこういう作業をさせていただくのですが、「水使っても大丈夫なんですか!」と言われる方が非常に多く、びっくりしています。

大量の水がかかるとかそういうのは☓ですが、掃除程度なら全く問題ございません。

 

気にしていただくのはとてもいいことだとは思いますが、きちんと理解してもらった上で気にしてもらうのがベターですよね。

そういう意味でも、やはり自分たちの仕事をきっちり伝えていくことが大切なんだな~と思いました。

なるべくお伝えしていこう。そう思っておくだけでもちょっと違うかもしれませんね。

 

 

 

 

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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