調律がくるうメカニズム
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
今日は珍しく(?)ピアノのお話を。
●調律がくるうメカニズム
ピアノの調律ってどうしてくるうかご存知ですか?
ピアノを弾かれている方の中には弾かなければくるわないと
思ってらっしゃる方も多いようですが、実はこれは間違い。
ピアノは弾かなくてもくるうんです。
ちょうど自動車や家など乗らなくても、
住まなくても傷んでいくのと同じような感じ、といえば
わかっていただけるでしょうか。
ピアノはかなりの力で張ってある弦を叩いて鳴らす楽器です。
ずーーーーっとギューーーーっと力が加わっていますので、
当然ですが弦も伸びていきますし、
弦を止めているピンもクルクルと回ってしまいます。
これが調律のくるうメカニズムなんです。
●調律だけじゃない
ピアノには調律が必要だと連想されがちですが、
実は調律以外にも必要なことがあります。
それは整調と呼んでいる作業。要するに内部の調整です。
鍵盤を押さえて沈む距離や弦を叩くハンマーの動く距離、
ペダルの動作具合など、ピアノの中にはかなりたくさんの
調整するべきところがあります。
鍵盤のあそびがないかどうか、
ダンパーペダル(右側のペダル)の効きはどうなのか、
タッチは揃っているのか、などなどを
調律をしながらチェックし、
調律の作業の中で少しずつ直していっています。
●温度と湿度
では、内部の調整がくるってしまうのは
一体どういった原因からなのでしょうか。
これは調律とは違い、どこかに負担がかかっているわけでは
ありませんし、基本的にはそのままで問題ないはず。
しかし、実際には年間を通じて結構変化があるんです。
このくるいの原因は温度と湿度の変化にあります。
高温・低温が原因ではなく、変化なんです。
なので、寒い部屋にある場合はその寒さをキープして
もらえれば、大きなくるいは発生しにくい、
ということになります。
●定期的なメンテナンスを
実は昨日お伺いしたご家庭がとても寒く、
作業を行う調律師にとってはかなり過酷な条件だったのですが、
ピアノの状態はかなりよかったんです。
調律こそ多少くるっていますが、
整調に関してはほぼ前年通り。
いい状態を保持してくれていました。
暖房や冷房でお部屋の温度を急に変えるというのが
ピアノにとってもっとも過酷なこと。
調律のくるいはピアノの構造上どうしても仕方がないのですが、
温度や湿度の変化はご家庭でのちょっとした工夫で
意識していただけると思います。
ピアノのいい状態をキープするためにも
少しだけ注意をはらってみてくださいね。
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