とりあえず修理の見積を…といわれたら困っちゃう話

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

みなさんは楽器の修理を依頼されたことはありますか?

ピアノの修理は依頼されたことありますか?

 

むつかしいんです

 

例えばペダルがギシギシ言うとか、どっかの鍵盤の調子が悪いとか、毎日毎年使っているといろんなことが起こると思うんです。

そういうことをお電話なり、店頭でご相談いただいて修理の見積もりを出してほしいと言われることがよくあります。でも、それじゃあ出せないんです。

 

例えば電子ピアノとかエレクトーンとかでしたら、こういう症状の場合はこのパーツを取り替えたら大丈夫というような事例がたくさんあります。メーカーの技術部門で共有しているんですね。なので、パーツの代金と修理技術料金というのはほぼほぼ決まってきます。見積もりが出しやすいんですね。

 

しかしピアノの場合は生の楽器ですので、例えばペダルがギシギシいうのであれば一体何が原因なのかっていうのがお話だけではわからないんです。

実際に内部を見てみて、例えばペダルの奥にあるスプリングが錆びているのかもしれませんし、ピアノのアクションについている機構に何か引っかかっているのかもしれません。

もちろん全く違う理由でギシギシいっていることも考えられます。

実際に修理の場合には、いろんな状況を想定して伺うわけですが、実施前の段階で見積もりを…と言うのは正直ちょっと難しいんですよね。

 

弦が切れてた

 

先日もある施設から「弦が伸びて変な音がするので見に来てほしい」というお電話がありました。

実際に見に行きましてピアノの外装を外してみますと、弦が切れていました(汗)

「伸びている」と「切れている」は全く違いますよね。

 

この時は事前のお見積りというお話ではありませんでしたが、もし事前の見積もりを無理やりにでも作っていたとしたら全く違うものになっていたと思います。

 

当然その時は換えの弦も持っていっておらず、結局2〜 3日後に再度お邪魔することになりました。

 

必要なこと

 

基本的にはどういった場合でも最終的にはお直し出来ると思うのですが、症状だけで見積もりっていうのは本当に難しいんです。

 

それでもどうしてもということであれば、そのピアノが一体どれくらい使われているものなのか、メーカーや製造番号、そして楽器が置かれている環境、普段の使用頻度、一番最近の調律年月日などなどそのピアノにまつわる色々な情報があれば少しは詳しいお話ができるかもと思います。

置かれている環境や最近の調律年月日なんて関係ないやんと思われるかもしれませんが、これが結構大切なんです。

 

ピアノという生の楽器で不具合が起きた場合、大本の原因がサビなのか湿気なのか経年変化なのかで対処方法はまったく違ってきます。

まずは初動を決めるためにも先ほどの情報が必要なわけです。

 

もちろんいろんな調律師がいますのでアプローチは全く異なります。

ただ、おそらく共通することは、楽器を見ずに見積もりをと言われたら困ること(笑)

 

とはいえ、ちょっとわかりにくい楽器なんですよね、ピアノって。

そこらへんをもう少し使ってらっしゃる方に寄り添う形のサービスってできないかなぁと考えたりしています。ま、なかなか答えは出てきませんけどね(笑)

 

 

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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