同じ機材なのに、出てくる音が違うのはなぜ?

   

おはようございます。
平瀬楽器のヒラセトモキです。

同じスピーカー、同じマイク、同じアンプを使っているのに、
なぜか「音が違う」と感じたこと、ありませんか?

実はそれ、音響を担当する人の“耳”と“好み”によって変わっているんです。

平瀬楽器ではぼくと弟が現場の音響を
担当することが多いのですが、
同じ機材を使っていても音の雰囲気は結構変わります。

弟はカラオケやレコード関係の現場経験が長く、
リバーブが深めでボーカルがはっきり聴こえる音を好みます。

一方、ぼくは吹奏楽やオーケストラ寄りの
クラシック出身。
低音や伴奏、内声など全体のサウンドが感じられる音を
目指します。

この違い、耳の感度や“どの倍音を聴き取っているか”に
よっても左右されます。

人は無意識のうちに、自分が心地よいと感じる音に
フォーカスする傾向があるんですね。

まさに“カクテルパーティー効果”のように、
たくさんの音の中から「聴きたい音」だけを自然に拾ってしまう。

だからこそ、音響には「これが正解!」という形が
ないんです。
唯一の正解があるとすれば、
それは「演奏者が気持ちよく演奏できて、
お客さんが気持ちよく聴ける音」。
これに尽きると思います。

ちなみに今日の三田まつりも、
ぼくたち兄弟で音響を担当しています。

現場では、どちらかがメインオペレーター、
もう一方がサポートに回るようにしています。

好みの違いが混ざってしまうと音が安定しないからです。

もしお近くに来られるようなら、
「今日はどんな音かな?」と耳を澄ませていただけると
嬉しいです。

音って見えないからこそ奥が深い。
そんな“耳の冒険”も、イベントの楽しみのひとつかもしれませんね。

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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