悪い楽器を選ぶユーザーが悪いのか、悪い楽器を作るメーカーが悪いのか、それが問題だ。
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
実は常々、安かろう悪かろうというのは一体誰の責任なのかなー?っていうの考えています。
実は、今日ある出来事がありまして、これは…というのを改めて感じたわけなんですが、今日はそのお話を。
(昨日の続きの予定でしたが明日に回します。楽しみにされていた方ごめんなさい。)
安かろう悪かろう
なんでもそうだと思うんですが、安かろう悪かろうという言葉は、その言葉の通り安くて良いものはないですよ、安いものはやっぱり良くないんですよ、ということを表現していると思っています。
人間誰しも悪いものは欲しくないし、同じものであれば安いほうがいいよね、と思っているのではないでしょうか。そんな中で、それと似たような雰囲気の安かろう悪かろう商品が結構はびこっているのも事実なんです。
しかし、これまではそのあまりよろしくない商品を使えるレベルにまで戻してあげることができれば、それが専門店としてのお客様に対しての役目なのかなと思っていました。
ちゃんと使えるエントリーモデル
たとえば当店で扱っていますギターは全然高級品ではありません。初心者向けのエントリーモデルというやつばかりです。
ですので、当然品質はそれほどよくありません。しかし、信頼できるメーカーのものしか仕入れていませんし、納品時にもきちんと検品をして店頭に並べています。そして、仮に何かトラブルがあったときにちゃんと対処させてもらっています。
そういうのが専門店としての役目なのかなと思っていました。
しかし今日起きたある出来事がきっかけになって、その考えは若干崩れつつあります。
安くてダメな鍵盤ハーモニカ
年末が近づくにつれ、鍵盤ハーモニカのクリーニングのご依頼をたくさんいただいております。
その中に1つ、ちょっと珍しい鍵盤ハーモニカが混じっていました。言わゆる「格安モデル」というやつです。
ヤマハやスズキのものに比べると半分ぐらいの販売価格という、すこぶるコストパフォーマンスのいい鍵盤ハーモニカです。ネット上では人気でよく売れているというのを見かけていました。
しかし、楽器自体の仕上がり具合やフォロー態勢の不安さから、当店では積極的には扱ってきていませんでした。
そんな格安鍵盤ハーモニカが舞い込んできたのが12月の初旬。
いろんな鍵盤ハーモニカの部品を持っている当店ではありますが、日ごろ扱っていない商品の部品まではさすがに持っていませんのでメーカーにお願いして取り寄せをしました。
約10日ほどでパーツが届きまして早速修理をしてみたのですが、新しいパーツを使っても良くならないんです。というか修理をする前の方がいいような気がするんですよね。
これはおかしいぞということですぐにメーカーにクレームを出し、新しいパーツを手配しました。
その新しいパーツが約10日ほどで届き、早速作業を行ったのが今朝。
ここまで言うともうわかりですよね。
そうなんです。今回も良くならなかったんです。
どこからどう見てもピカピカの新品のパーツが届いているのに、楽器に組み込むとちゃんと作動してくれないなんて絶対ありえないんです。
他にもネジがものすごく錆びやすく出来ていたりとか全体的な作りも甘くて、小さな子供たちが持つには適当とはいえないような楽器なんです。
安かろう悪かろうはそれに踊らされたユーザの責任なのでしょうか?
いや、おそらく作り手側の問題の方が大きいのではないでしょうか。また、販売している側の責任もあると思います。
全てが高級路線で行く必要はありませんし、価格破壊のようなことをしてくれるメーカーがあってもいいと思います。しかし、一番大切な品質という部分をどこかに置き忘れてしまったような気がしてなりません。
われわれは小売店ですのでどこのメーカーの商品が良いとか悪いとかあまり大きな声では言えないのですが、少なくとも今日触ったこの鍵盤ハーモニカだけは、どれだけコスパが良くて売りやすい商品だったとしても、取り扱わないぞと心に決めたのでありました。
もう、ほんまあきません。
こんな楽器を持ってしまった人がほんまにかわいそうでかわいそうでなりません。
あかんもんはあかんと声を出していかなきゃいけませんね。
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