日曜大工?ところがどっこいメンテナンスです!
はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!
これはある作業中の写真です。
さてここで問題です。これは一体何をしているところでしょうか?
大工っぽい
パッと見た感じ、大工さんっぽいですよね。
ペンチやトンカチ、電動ドリルに釘抜き。もしかしたら日曜大工のように見えるかもしれません(電動ドリル持っているご家庭はそんなに無いかもしれませんが)。
しかし一応当店は楽器店ですので、実はこれはある楽器の修理をしているところなんです。
その楽器というのはグロッケン、鉄琴なんです。
きっと、どこの幼稚園でも、保育園でも、小学校でも、備品として置いてある、みんな知ってるメジャーな楽器、グロッケン。
パッと見た感じ丈夫そうに見えますが、これも他の楽器と同じで使っていくうちにどうしても傷んできて、どこかのタイミングで修理をする必要が出てきます。
叩かないのがベスト
打楽器は叩く楽器ですので、使う=叩くということで、どんなに丁寧に扱ったとしても傷んでいってしまいます。しかし今日の修理は経年変化で傷んでいったのではないんですよね。
木琴や鉄琴の音が出る部分は「音板」と呼ばれています。
この音板はバラバラにならないように楽器の枠にネジ釘を使って止められているわけなのですが、今日の修理の場合は、このネジ釘が深く入り込みすぎて音板の響きを止めてしまっているんです。
でも、これは日頃使ってらっしゃる園児さんたちが釘の部分ばかりを狙って叩いている、というわけではないんです。
これは楽器を保管するときに、上に上に積み重ねて置いておくことで楽器の重みが下にかかり、だんだん釘が歪んできて結果としてこの状態になってしまうんです。
では、この響かなくなった音板を響かせるにはどうしたらよいのでしょうか?
言うは易し
答えはとても簡単です。
ネジ釘を一旦外し、穴を埋め、新しく再度うち直す。それだけです。
「釘を打ち直す」という言葉だけで考えてみるととても簡単な作業のように感じますが、実はそんなに簡単に抜けないような加工になっていますし、釘自体も抜けにくい構造になっています。
なので、1台修理するだけでもヘトヘトになるぐらい重労働なんです。
で、きれいに仕上がったとしても結局上にものを置いてしまうとまた同じ事になりますので、可能な場合はもともと入っていた箱に入れて保管してくださいねというようにしています。それでも同じようになるときはなるんですよね。
メンテナンスフリーなんてありえません
学校や幼稚園に置いてある楽器というのはメンテナンスフリーのように思われるかもしれませんが、実は結構こまごまとしたメンテナンスが必要です。
今日のグロッケンもその最たる例です。
「園の備品なんだから大切に使ってくださいね」というのはとても簡単なのですが、幼稚園や保育園などの現場ではなかなかそこまで目が回らないのが現実だと思います。
幼稚園や保育園の場合は園児さんに一生懸命使っていただき、そこで傷んだものを我々が一生懸命治していく、その作業の繰り返しだと思います。
とはいえ、このグロッケンだけは骨が折れる作業なんですよね。あと3台、がんばらないと~!!
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