ご存知でした?調律とダイエットの密かな関係

   

はじめの一歩を応援する音楽サービス専門店 平瀬楽器のヒラセトモキです。
おはようございます!

 

「ピアノの調律って、年に1度くらいやらないといけないんですか?」

「前に調律してから随分間が空いているんですが、どれくらい金額がかかるんでしょうか?」

こんな問い合わせを結構いただきます。

こんな問い合わせをたくさんいただくということは、ピアノの調律ってきっとポピュラーな仕事ではあるのですが、ご存知でない部分(=伝えきれていない部分)が多い仕事でもあるんだと思います。

 

年に一度がベストなわけ

 

年に1度程度しなければいけないというのは1つの判断基準でして、よく弾かれる方であれば年に2回や四季に1度などのペースでご依頼をいただく方もいらっしゃいます。

四季に一度はさすがに多いとしても、普通に使われる方でしたら最低限これぐらいはしといたほうがいいよという程度が年に一度なんです。

しかし、もし状況が許すのであれば、もう少し早いペースで調律をされたほうが楽器のコンディションはきっとよくなると思います。

 

調律が10年空いたピアノ

 

最後に調律をしてから10年以上経ってしまったピアノの調律代金が高くなってしまうというのはなぜなのかご存知でしょうか?

これは色々な考え方があるのですが、共通している事は調律の間隔があいているピアノは調子がくるいやすいということなんです。

調律というのは緩んでいる弦を強い力で引っ張って音を調整する作業です。

この強く引っ張る力が年数が経つに従ってゆるんでいくわけです。そのゆるんだ弦をまたぐんと引っ張ると、戻る力が働いてしまい、また調子がくるいやすくなるというわけなんです。

よくお客様宅でお話するときに一番理解していただけるのは、急なダイエットにおけるリバウンドと一緒、という例えなんです(笑)
一念発起して1ヶ月で20キロのダイエットに成功したものの、三日後には15キロのリバウンドをしてしまうと結局5キロのダイエットと同じなんです。

これがへたをすると22キロのリバウンドで+2キロになっちゃった、なんてこともありますよね。

これらは調律と全く同じで、無理な調律をするとリバウンドのように弦は元の位置に戻る方向に動き、結果的に全体の状態が悪くなってしまうこともあります。

 

楽器に対する負荷

 

なので、大きなくるいがあったとしてもあまり負荷をかけずに時間かけて調律する場合と、多少で荒療治でも一気にやってしまう場合の二通りの方法があります。

これは調律師によって考え方がまちまちですのでどちらが正しいとは言えないのですが、ぼくの場合は一気に片付けるのではなく、数度に分けた調律を細かく行うことで少しずつダイエット…ではなく、ピアノの状態を良くしていく方法をオススメしています。

やはり無理なダイエットというのは体調を壊しがちですし、結果的にあんまり良くないんじゃないかなと思うんですよね。

 

 

もし仮に20年調律をやっていないピアノであっても、うまく調律を続けていけば5〜6回の調律で何とかなるくらいまで戻る場合もあります。

10年や20年調律をやっていないからといってピアノの価値がなくなるわけではありません。せっかくピアノがお家にあるのでしたら、できれば調律をして使ってもらいたいです。生の楽器は長く持つ、これが一番の魅力ですからね!

 

 

 

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1973年兵庫県三田市生まれ。 三田市と神戸市北区で音楽教室と楽器販売を行う平瀬楽器の経営者。ピアノ調律師として一般のご家庭や施設・ホールなどをまわりつつ、店頭ではピアニカやエレキギター、カスタネット、大太鼓など、いろんな楽器の修理もやっちゃう楽器の専門家。 その他にコンサートや落語などのイベント企画、台本作成・進行などのディレクション業務、音響業務・コンサートの配信業務なども得意科目。 企画段階から本番の進行まで、イベント全体をまるっとマネジメントできるのが強み。イベント開催時の参謀役として置いておくときっとお役に立てるナイスガイです。 2013年からYouTube、2021年からはtiktokもスタート。2021年配信専門部門「HG動画配信サービス」を立ち上げる。2022年7月には兵庫県で初となる「音楽特化型放課後等デイサービス・さんかく」を開所した。

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